Garnet~大好きの伝え方
それだけぶちまけてからやっと、心の中で「なーんだ」と拍子抜けしていた。

けっきょく、加奈を傷つけてしまう自分が怖いんじゃ、悠里が言っていたそのまんまじゃないか。

また、『根暗で陰険な園田善紀』らしく自嘲してしまう――直前に、

「ふふふぅ、やぁーっぱーりねーん♪」

それはそれは嬉しそうに、西村さんが笑った。

まるで、仕掛けておいた罠に小鳥がかかって喜ぶ、猫のようにだ。

西村さんは四つん這いになって僕に近づき、「うりゃうりゃ」と頬を突っついてきた。

「ほぉら、やーっぱり、私の言った通りだねぇ」

「な、なにがだよ」

手をパタパタ振りながら体をそらして「うりゃうりゃ」攻撃から逃げる。

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