Garnet~大好きの伝え方
そそくさと入ったコンビニの雑誌コーナー。

わらび時計の下にいる加奈達を見ている悠里も、やはり変装している。

某野球チームのロゴがプリントされたキャップに、サングラスだ。

悠里の服装は、さすがにピアノが趣味というだけあって、シンプルにしゃれている。

ぱりっとした感じの水色のシャツに、黒のスラックス。

同じファッションのままもう少し歳を取ったら、青年実業家と言っても通じそうだ。

それだけに、キャップとサングラスの完全装備が、死ぬほど似合わない

「説明って……善紀、麻里亜さんから聞いてないの?」

「聞いてないよ。ただ、いーからいーからって言われてここまで引っ張ってこられたんだ」

「……そうなの?」

と、悠里が西村さんへ確認する。

僕を拉致ってきた彼女は、ハンドバッグからキャスケットと、幅の広いスコープ型のサングラスを取り出しているところだった。
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