Garnet~大好きの伝え方
細かなチリの浮遊さえも、きらきらのダイヤモンドダストと勘違いできる空間が、ぴりぴりと電気をまとったみたいになる。

ほんの少しの息遣い、ほんの少しの身じろぎでも、緊張する。

どうしよう、と思った。

裏を知らないヨシにして言えば、これは修羅場。絶対そう。

なのに、なのになのに、どうしようもなく私が今感じているのは、喜び。嬉しさ。

ヨシが駆けつけてくれた、北川くんとの間に割って入ってくれた、私のために、ここにいてくれる。

脈絡とか状況とか全部放り捨てて、後ろからヨシに抱きつきたくて仕方ないくらい、嬉しい。

でも、それをしないのは――

< 293 / 370 >

この作品をシェア

pagetop