Garnet~大好きの伝え方
「……またふったの?」

短く訊ねられて、はは、と私は笑った。

実はここへ来る前、私に告白してきた男子を、すっぱりきっぱりふってきたのだ。

「うん、そ、また。でもいいじゃん、そんなの」

「まあ……加奈がいいんならね。僕もなんも言わないよ」

溜め息のようなものを言葉に混ぜながら喋るヨシは、どこか、おじさんくさい。

本を読む時だけかけているメガネを外す表情も、

ケースにしまう仕草も、

とても落ち着いていて、ついでによれよれにくたびれた感じもする。

でもそんなヨシだから、このひとりぼっちに静まる図書室が、ものすごく似合っているんだけど。
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