Garnet~大好きの伝え方
必要性なんかないと思うのに、僕の両手は彼女の両手首をがっちりと掴んでいた。

一瞬たりとも、反抗されないように。

僕の欲望を、拒絶されないように。

それはひどく独りよがりな理由で、

「ヨシぃ」

湿り気を帯びた声をかすらせる彼女を見て、余計に、煽られた。

欲望の矛先が、研ぎ澄まされる。

あんなに傷つけたくないと思っていた彼女を、どうしてもどうしても蹂躙してしまいたくて、仕方なくなる。

キスというよりも、噛みつく。

その柔肌に、僕のものだっていう印をつけたくて。

こんな醜い欲望を押しつけてしまう。

赤く紅く、花びらのように刻み付けてしまう。

彼女の首に、胸に、お腹に、足に――もっと。

「ぁ」

歯を立てるようなキスに、彼女は反応する。

わたあめのような溜め息で。

はぁ、と僕の頭に降ってくるその熱気で、なおさら扇情させられる。
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