Garnet~大好きの伝え方
「なんで来たんだよ。日曜に、午前から」

不機嫌だ、っていう顔を隠さないヨシが、私の向かい側に座った。

その様子はまるで、昼寝を邪魔された黒猫。

やっぱり、お昼から来ればよかったかな、なんて思っていると、

「ヨーシぃ、そんな言い方はないでしょうよ。加奈ちゃん、回覧板届けてくれたんだから」


ヨシママがコップを三つ、リンゴジュースのパックと一緒に運んできた。

ことりと、蜂蜜色に満たされたコップが置かれる。

「あ、ありがとうございます」

お礼を言う私の対面で、ヨシは眉間にしわを寄せたまま、がぶりとコップの中身を空にした。

自分で二杯目を注いで、またがぶり。

なんだか相当機嫌が悪そう。

ヤな夢でも見た、のかな。

「なに仏頂面してんだかねぇ、この子は。加奈ちゃん、気にしないでちょうだいね」

「は、はい」

ちびりと一口ジュースを飲みながら、うなずく。

ちょっとだけ、助けられた気分。
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