Garnet~大好きの伝え方
でも、恋人にはなれない――ヨシはかたくなに、そう言うんだ。

「じゃ、鍵返してくるから」

「うん。いってらー」

職員室へ入っていくヨシを見送って、私は廊下でひとりになる。

図書室の鍵を返しに行くために職員室へ来る途中、私は散々ぶうたれた。

なのに彼は、ほんの一瞬も、優しさのようなものを見せてくれなかった。

私が告白されたことにも関心がないようで、それどころか、付き合っちゃえばなんて言われる。

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