トールサイズ女子の恋【改稿】
◆第2章:歓迎会での出会い
 高坂専務の発案による歓迎会が始まり、場所はS駅から徒歩10分の居酒屋の大人数が座布団に座るタイプの個室で、私は挨拶を手短にしてお酒を注ぐことに集中し、今は営業部の男性に注いでいる。

「総務課の星野です、今後もよろしくお願いします」
「此方こそ。総務のみなさんがいてくれると、仕事がしやすいから助かってます。注いでもらってばかりだし、星野さんもどうぞ」
「ありがとうございます」

 私はグラスを持つとアルコールを注いでもらい、相手の人と乾杯をした。

「美味しい…」
「星野さんって結構飲めるんですね」
「父親の影響で、日本酒も好きです」
「いいね、今度美味しい銘柄を教えるよ」

 男性は顔を真っ赤に染めて目もとろんとなっていると、個室のドアが開かれて3人の男女が入ってきた。

 1人は女性で、2人組の男性の内1人は髪の毛がモジャモジャしていて肌が日に焼けて背が高く、もう1人は黒髪で眼鏡をかけていてモジャモジャの人よりも背の低い男性だ。

「遅れてすいません」
「九条さん、こっちこっちー」
「はーい。姫川編集長、水瀬編集長、私はあっちに行きますね」
「ああ」
「じゃあ、俺たちは高坂さんの所にいこうか」

 遅れて来た3人はそれぞれのグループの所に座り、楽しそうに飲んでいる。

 そういえば姫川や水瀬ってお昼休みに女子社員の恋話で出てきた名前だよねと思い出していると、周りの女子社員たちは2人の編集長がきた途端に色めきだっている。

「姫川編集長が飲み会に来るなんて、珍しいな」
「あの…、姫川編集長はどちらの人ですか?」
「ああ、髪の毛がモジャモジャしているのが姫川編集長でタウン情報部の人。一緒にいる眼鏡をかけている人が、ファッション部の水瀬編集長だよ」
「あの2人が……」

 私は高坂専務の方を見ると、高坂専務が姫川編集長のモジャモジャの髪の毛を手でかき回し、それを姫川編集長はうっとうしそうにしていて、一方の水瀬編集長は笑いながら2人の仲をとりもっていた。
< 13 / 162 >

この作品をシェア

pagetop