トールサイズ女子の恋【改稿】
◆第20章:2人、寄り添う週末
 side星野美空

 土曜日の夕方、私はベッドにゴロンと横になって天井をぼぅっと眺める。

 昨夜に幸雄さんのマンションへ行ったけれどドアが開くことは無くて、今日の夜に行きますとメモを残して帰宅したけどマンションに行ってもまたドアを開かなかったらどうしよう……、行くか行かないか……、それにスマホには幸雄さんからの連絡は無いし、このまま月曜日になれば幸雄さんも四つ葉出版社に出勤すると思うけれど顔を会わせずらいよ……。

 散々泣いて疲れもあって意識が遠退きそうで瞼を閉じかけた瞬間、インターホンが鳴ったのでパチッと瞼を開く。

 誰だろう?アパートに訪ねてくる人なんてお母さんぐらいだし、セールスだったら居留守を使えば諦めて帰るだろうから居留守を使っちゃえ。

 でもまたインターホンが鳴り、今度はドアがノックされた。

「美空、居る?幸雄だけど……」

 嘘……一番会いたい人の声が聞こえたんだけれど、本当にそうなのかな?だって住所を教えたことがないからここに来れる筈がないし、新手の訪問詐欺とか?

 私はベットの側にある雑誌を丸め、襲ってきたらこれで仕返ししちゃおうと警戒しながらドアのドアスコープから覗くと、そこにはネルシャツとジーンズという休日スタイルの幸雄さんが立っていて、まだ幸雄さんの口元にはガーゼとテープが貼られていて眼鏡はかけていない。

 今すぐにドアのチェーンと鍵を解錠したらいいのに、幸雄さんの突然の来訪に丸めた雑誌が手元から離れ、その雑誌は足元に落ちた。

「美空、そこに居るんだったらそのまま聞いて?昨日は美空が来てたのにドアを開けなくてご免……、美空の顔を見て話をしたいから開けて欲しい」

 幸雄さん……幸雄さんだ…、もう顔を会わしてもらえないと勝手に思っていた自分が恥ずかしくて開けようかどうしようかと迷ったけれど、ドアの外には会いたかった人がいると思うと涙が流れてきて、何度も鼻をすすりながらドアチェーンと鍵を解錠してゆっくりとドアを開けたら、幸雄さんはドアを強く開いて中に入った瞬間に私を強く抱き締めた。
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