トールサイズ女子の恋【改稿】
「痛っ…、何をするんだよ!」
「いい加減にして!またこれ以上してきたら、もう一度殴りますよ?!」

 私は右手で思いっきり元彼の左頬をひっぱたくとその頬は赤く腫れあがっていて、そして私の右手もひっぱたいたせいで痛くてジンジンと痺れだしてるけど、でもこの痛みは幸雄さんが交流会で痛い思いをしたよりかは全然違うともうから我慢できる。

「……」
「……」

 私が凄い剣幕で元彼を一括して凄みを利かせると応接室が静寂に包まれ、しまった…と、そう思っても時すでに遅しで。

「っ…、くくっ…。水瀬、お前の女はおっかねーな」
「すいません。しつこくて、ついやってしまいました…」

 姫川編集長が静寂を打破するように一気に吹き出して笑いだすから、私はやってしまったと我に帰り、頬が一気に熱くなりながら小さく呟いた。

「姫川、それは失礼だよ。おっかないというか…、逞しい?頼もしいのが一番かな」
「ゆき…、水瀬編集長までそんな風に仰らないで下さい!」
「将来は尻に敷かれるんじゃねーの?後はカカァ天下とかか?」
「姫川編集長は黙って下さい!!」
「俺も星野さんを怒らせないように、気をつけよーっと」
「高坂専務まで!もー!!」

 あれほど静寂だった応接室が笑い声で包まれ、こうして私たちがおこした騒動は、私の平手打ちで幕を閉じるのであった。

 どうしよう、皆に変な印象を与えちゃったかも………
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