トールサイズ女子の恋【改稿】
 総務課のみなさんに幾つか浮かんだ改善策を相談し、発注については数字のミスを防止する為に送信ボタンを押す前に他の人にも確認してからと決め、備品チェックについては総務課の人数が限られてる為に人員を割けないので、一度在庫室を掃除をして備品の位置を替えることにした。

 これは効率的に備品のチェックを出来る為で、午後から早速在庫室を掃除することにし、先ずは午前中の仕事に取りかからなくちゃと両手で頬を叩いて気合を注入する。

 私は郵便局の人から郵便物を受け取って宛名をきちんと確認して分けていくと、ファッション部の水瀬編集長宛があった。

 昨日の帰り際、水瀬編集長が総務課に鍵を返しにきた時は凄くピリピリしていたけど、今日は大丈夫かな。

 郵便物を渡すだけなのに緊張しながら階段を使って2階に上がり、ICカードを使って編集部に入ってファッション部に向かうと水瀬編集長は―…電話中だ。

 電話の邪魔をしちゃ悪いし、傍にいるファッション部の人に渡しておこうかな。

「すいません、あの―…」
「星野さん、俺に用があるんでしょ?」

 傍にいるファッション部の人に声をかけて郵便物を渡そうとすると、水瀬編集長は電話を終えたのか声をかけられちゃった。

 私は郵便物をファッション部の人には渡さずに水瀬編集長に恐る恐る近づいていくと、水瀬編集長は苦笑する。

「そんな風にビクビクしなくてもいいのに」
「水瀬編集長宛の郵便物をお持ちしました」

 だって昨日の総務課で水瀬編集長はピリピリしていたし、近づいても大丈夫なのかって思うじゃない。

「ありがとう。あのさ―…。はい、四つ葉出版社ファッション部水瀬です。いつもお世話になっています。はい…、はい―…」

 呼ばれたと思ったら水瀬編集長の机に置いてある電話が鳴り、水瀬編集長は渋々受話器をあげる。

 水瀬編集長は電話をかけてきた相手先と話ながら私の方に手を上げてごめんという素振りをしたので、私は水瀬編集長に頭を下げて編集部を出た。

 何か言いたげな素振りをしていたけど、何だろう?

 総務課に戻りって午前中の仕事に取り組み始め、キーボードを打ち込む際にはスピードは出さずに資料をよく見ながら打ち込んでいく。

 朝から怒鳴られたから気持ちが沈みがちになるけど、それは自分のミスだしと反省しながら仕事をしていくのだった。
< 60 / 162 >

この作品をシェア

pagetop