キジョが恋しちゃダメですか?

 ひょっとしたらリビングで寝てるかも、と思ったら手に何か触れた。

 温かい、肌の感触だ。


 良かった。


 ひとまず一緒に眠ってくれていたんだ、とほっとする。

 目を閉じたまま指の腹で肌をなぞると、ううん、とくぐもった声がした。
 
 その声に、あたしの身体は今度こそ跳ね起きた。


 夫じゃない!


 跳ね起きたついでに鈍器で殴られるような、ひどい痛みに襲われたけどそんなこと言ってらんない。

 歯を食いしばってそれに耐え、ゆっくりと周りを見渡してみる。


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