ZAKURAN
綾子さんが驚く暇もなく、
オレの唇が彼女の唇を塞ぐ。
「んっ…あ、んっ…九条く…」
まともに言葉なんて発せないくらい、激しいキス。
次第に顔を真っ赤にして、
綾子さんの、オレのシャツをつかむ手が強まる。
(こんなもんか…)
しばらくして、力つきたように綾子さんは意識を手放した。
「おっと…」
突然、仰向けに倒れ込んだ彼女を間一髪で抱き寄せる。
美しい寝顔を前に、オレは怪しく笑みを浮かべた…
「世間知らずのお姫様…しばらく眠っていていただこうか。」
オレは軽々と女を抱き上げると、そのまま部屋のソファーにそっと寝かせる。