ZAKURAN



この人たちは、私よりも前からこの屋敷にいた人たち。





だからなのかな



一人ひとり仲が良く、すごく楽しそう…







私もその場の人間だというのに、先ほどから会話をしているのは横にいてくれる陸人さんだけ。




時々、何人かのご令嬢が私たちの前を通っては、陸人さんに顔を赤らめていた。






けど、私だけを見てくれる人は誰もいない。







ふと、今の状況が学校の教室にいるときとピッタリ重なる。




窓際の一番後ろの席に座りながら、クラス会だ何だのと楽しそうに話すクラスメートを、ボンヤリと眺めていた自分…。











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