ZAKURAN
∮九条 暁 side∮
ここは、ある令嬢の屋敷の最上階。
オレは窓から、すでに沈みかけようとしている夕日をぼんやりと眺めていた。
そこへ…
「暁くん」
振り返ると、この屋敷の令嬢、綾子さんが笑いながらこちらへと歩み寄ってくる。
「綾子さん、だめじゃないですか。ちゃんと部屋にいなきゃ…」
なんて口では注意しながらも、オレは首に回された手を払おうとはしない。
「ずいぶん余裕そうですね。闇少女に命を狙われてるというのに」