月明かりが照らす廊下。
-SECRET-
放課後の真っ暗い廊下。
入学してもう1年が経つのに、まだ慣れない高校の、廊下。
私はひとり、歩いていた。
さっきまでいた図書館は閉まってしまい、
少し廊下をぶらついたところで、職員室まで向かう。
「しつれーしまーす」
『あら、まだ生徒がいたの?』
「あー、はい。
ちょっと勉強してて・・・」
なんて嘘。
本読んでただけ。
『えらいわね。
それで、誰に用かしら。』
「えと、菅原先生に。」
『ちょっとまっててね。』
女の先生はそう言うと、菅原先生を探しにか、奥の方へ行った。
しばらくして、女の先生は来た。
『菅原先生は今、教室を見回りに出て行ったそうよ。』
「あ、そうですか。」
『何か用事あった?』
「いえ、この小論文について聞きたかっただけなんで、」
適当に持ってきた、小論文のワークを見せる。
『あら、そういえば担当は菅原先生よね。』
「大丈夫です。
明日また聞きますので。」
『そうね、今日はもう遅いし明日にしましょう。』
「はい。ありがとうございました。」
私は一礼して、そのまま職員室を出た。
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