月明かりが照らす廊下。
-SECRET-

放課後の真っ暗い廊下。

入学してもう1年が経つのに、まだ慣れない高校の、廊下。




私はひとり、歩いていた。



さっきまでいた図書館は閉まってしまい、
少し廊下をぶらついたところで、職員室まで向かう。









「しつれーしまーす」



『あら、まだ生徒がいたの?』



「あー、はい。
ちょっと勉強してて・・・」


なんて嘘。
本読んでただけ。




『えらいわね。
それで、誰に用かしら。』



「えと、菅原先生に。」



『ちょっとまっててね。』





女の先生はそう言うと、菅原先生を探しにか、奥の方へ行った。








しばらくして、女の先生は来た。

『菅原先生は今、教室を見回りに出て行ったそうよ。』




「あ、そうですか。」



『何か用事あった?』



「いえ、この小論文について聞きたかっただけなんで、」

適当に持ってきた、小論文のワークを見せる。



『あら、そういえば担当は菅原先生よね。』



「大丈夫です。
明日また聞きますので。」



『そうね、今日はもう遅いし明日にしましょう。』



「はい。ありがとうございました。」



私は一礼して、そのまま職員室を出た。

< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop