キスマーク


“ニ兎追うもの”


今の私ってそんな立場なのかな、なんて今さら考えてしまう。



ヒロのことは追っているつもりなんてないのだけど、ちゃんと切れないままズルズル続いているのだから同じ様なものかもしれない。


けど、常務から紹介された久瀬さんと出逢って、もう少し踏み込んだ付き合いが出来れば―…



何の躊躇も無くヒロとの関係を終われる、と、そう信じたい。





昼食を終え、携帯を確認すると一件のメール受信。


相手は“久瀬さん”だった。




今夜、良かったら食事でもしませんか?




二度目の食事への誘い。そんな誘いに私は、




わかりました。何処で待ち合わせにしますか?




と、直ぐに返信メールを送った。




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