キスマーク
なのに、どうして?
こんな行動をとるヒロを強く突き放せない。酷い女だと思われるような言動にもっともっと出れば良いのに出れない。
ヒロの言動は何もかも鬱陶しいだけのものな筈なのに、そう思えない。
今日のヒロはとても幼い男に感じてしまう。まだ遊び足りない玩具を手放したくないと試行錯誤するコドモみたいだ。
ヒロ―…あなたはこんなにコドモだった?
冬の飲み屋街をフラフラ歩く年上女を最も軽くナンパして、会ったその夜にベッドを共にさせた。
持ち前の甘いルックスと声でこんな私でさえも翻弄させる―…
“年下”という立場を上手く使って、私と付き合ってきたでしょう?
身体を重ねている時も、そうじゃない時も、どこか何時も余裕があるように見えたヒロ。
何よ……
どうして、今日はそんなに切羽詰った表情を見せるの?
それでも、