キスマーク



この選択が正しかったのか、そうじゃなかったのか、本当にわかる時、「ああ、やっぱりあの時」なんて後悔はしたくない。


それにきっと、今、目の前にいるあなたを振り切ることのほうが、ずっと私の後悔として残ってしまうと思うから。



さぁ、後はただ自分の信じた路を進むだけ。



そう思うと、一気に気分が晴れて、雲ばかりかかっていた心が明るくなった気がした。



ふっと、涙と共に零れる微かな笑み。



「シオリさん?」



と、ヒロが私を見る。



「今ね、とても心が晴れてるわ」



晴れた夏の午後の景色の様に、爽やかに輝く何かが心にある気がするの。



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