キスマーク



私が先に良い男を見つけて関係を絶つのが先か、それとも、ヒロが私に飽きて他の女のところに行ってしまうのが先か。


何時、ピリオドを打つ瞬間が来るのか―…



“別れあれば出逢いアリ”



昼間、麻里に言われた言葉が浮かぶ。



そう。


確かに、ヒロと出逢ったのは突然の別れの後。


でも、


私とヒロの出逢いは、その一つの別れを補うにはとても軽いものだった。



“ごめん。詩織”



浮かんできたのは、半年以上前に告げられた彼からの言葉。そして、直ぐに、



“詩織?”



昼間に聞いた声が浮かび上がり、一つに重なる。それは三年間交際して、あっさりと別れを告げてきた元カレ、昼間にばったり出逢った一哉の声。




ヒロとの出逢いは一哉と別れて一ヵ月後の夜。




真冬の夜空に浮かぶ月が綺麗な夜だった。



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