キスマーク
「ごめん……」
普段はヒロに対して言わない謝罪の言葉が私の口から零れる。
「珍しいね。シオリさんが謝るなんて」
「言い方……きつかったから」
「何時もきついよ」
「悪かったわね」
「いいよ。そんなシオリさんも気に入ってるから」
サラリと言う、歯の浮くような台詞―…その上、
「反省してるなら、俺が喜ぶようなこと、たまには言ってよ」
甘えた口調での得意のおねだり。
喜ぶようなことって―…急に言われても、と思う。あまり調子に乗らせるような言葉を言いたくないという気持ち。だから、
「眼鏡―…」
「眼鏡?」
「似合ってるんじゃない?髪の毛も今の中途半端な感じじゃなくて少しカットして、その茶髪―…もうちょっと落ち着いた色に染めたら、少しはまともに見えるんじゃない?」
こんな言葉を返すのが限度だ。