キスマーク


友達であっても気心知れた相手じゃないと部屋には入れたくない。


だから、単なるセフレを部屋に入れるなんて論外。



「私がいいんだから余計な心配はしないで」


「でも帰りとか暗いから心配だよ」


「ヒロはそんなことまで気にしなくていいの」



彼氏でもないんだから、そんな優しさは見せなくて良い。



「じゃあ外で会って食事」


「そんなに食事に行きたいなら大学の友達と行きなさいよ」


「みんな実習とかレポートで忙しい」


「ならヒロも忙しい筈でしょ……」


「俺は要領良いから大丈夫」


「あのねぇ―…」



「金曜日で決まり。シオリさんの仕事終わりに合わせて駅で待ち合わせだね」



渋る私にヒロは強引に約束を取り付けようとしてくる。




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