片恋
まだ上級生は揃っていなかったらしく、新入生だけが各席に2人づつ座っている状況だった。
私とサチの前も2つの席が空いている。
一体誰が来るんだろう?
と、考える気持ちの中ひそかに竜二さんが座ってくれないかなって思う自分がいた。
竜二さんと話すとすごい楽しいから。
もっと、この人と喋りたいなって思った。
なんだろう、この気持ち・・・。

「みんな、おまたせ~!!」

竜二さんは、手を合わせて店に入ってきた。
竜二さんの後には、太一さんや亮さんもいた。
先輩達は各々席に座り始めた。
竜二さんと太一さんと亮さんは、座ろうとしなかった。
私達の席に座ってきたのは、少し恐目な感じの男の先輩だった。
まだ席は1つ、私の前が空いている。

(誰が来るんだろう・・・?)

そして、皆が座り終わると竜二さん達も座るために動いた。

太一さんは、一番端の席へ。

竜二さんは裕子のいる席へ。

そして、私の前の席にきたのは、あの嫌な感じの亮さんだった。
< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop