片恋
第一章 大学一年生《春》
新しいことへの期待と、友達が出来るのか等の不安を抱えながら、若林麻美はこの大学の入学式に参加した。
周りには知らない人ばかり。
こんな大人数の中にいるのは、大学のセンター試験ぶりだ。

「隣、いいですか?」

私に話し掛けてきた、目のぱっちりとした女の子。
私は、はにかんで首を縦にふった。
突然だったから、声がでなかった。

「名前、なんていうの?」
隣に座ってきた子は、座ってきたと同時に私に名前を聞いてきた。

「若林麻美です。」
「麻美ちゃんかぁ。私は、裕子。ヨロシク。」
「裕子ちゃん。ヨロシク!私のことはアサちゃんでいいよー。」
「アサちゃんね!私のことは普通に裕子って呼んでね。」

これが、裕子との出会いだった。
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