ダイス
「それぞれに帳場が立っていたが、連続殺人という見方で固まった」
それもそうだろう。
あまりに残虐な殺害方法からそれを発表するのは止めていたのだから。
模倣犯が出るはずもないのだ。
「捜査本部は何処に?」
「此処だ」
蓮の質問に、澤村は自分の足元を指差した。
警視庁に捜査本部が立つ。
異例だがこれ程のチャンスも滅多にない。
「そこに運良く入れるのはうちの班だ」
紗江子は思わずガッツポーズを作った。
刑事になろうと思ったのは殺人犯をこの手で捕まえたいから。
それなら携わる事件は大きいものに越したことはない。
班員は皆同じ気持ちらしく、それぞれが目を輝かせている。
「捜査会議は一時間後。それまでに事件をよく知っておけ」
澤村はそう言って紗江子達に捜査資料を渡してきた。
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