冷たいアナタの愛し方
今までルーサー以外の兄たちがお気に入りの女の奴隷に思い思いの服を着せているのを見てきていたが…


「………ストライク」


「え?今なんて?」


上体を起こして何事か呟いたジェラールは、オリビアの頭のてっぺんからつま先まで見てそう呟いた後、ふいっと顔を逸らして窓に目を遣る。

何を言ったのか聞こえなかったオリビアは、こんなに短いスカートを履いたことがないので脚がすーすーしてしまってもじもじしながらテーブルにホットミルクを置いた。


「これルーサー王子があなたのために作ったんだからちゃんと飲んでよね」


「……それよりお前…その格好…」


「何よジェラール坊ちゃん。あなたの趣味なんでしょ?やっぱりこんなの脚がすーすーするし掃除もしにくいから着替えるわ」


「着替えなくていい」


やけに語気を強めて言い放ったジェラールは、マグカップを手に取って一口飲むと、僅かに広がる苦さに顔をしかめた。


「ジェラール坊ちゃんはメイド萌えしちゃうわけね?この格好じゃ床掃除もできないし落ち着かないのよ」


「いいからその格好のままでいろ。ルーサーもまんざらじゃない反応をしただろ」


「お世辞を言ってくれただけよ。なんか胸も脚も強調されてて恥ずかしいんだけど」


「脚はともかく胸はほとんど無いだろうが。平らな胸になんか興味ない」


相変わらず失礼なことばかり言うジェラールにべろべろと舌を出して小馬鹿にしたオリビアは、1階に降りてシルバー用の銀のボウルにミルクを注ぐと、ぺろぺろと舌を出してすでに飲んでいる気分になっているシルバーによし、と声をかけて背中を撫でてやる。


「ジェラールはどんな反応だった?」


「この格好でいろって言われたわ。あなたは本当にあんなド変態を王様に推す気なの?」


「まあね。趣味位は許してあげないとね」


オリビアは深いため息をつくと、ルーサーが今後のためにと用意してくれた料理の本を読み漁り、ジェラールをぎゃふんと言わせてやろうと執念を燃やして勉強にいそしんだ。
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