冷たいアナタの愛し方
なんだか…くすぐったい。

頬を舐められている気がして、そんなことをするのはシルバーだけなので目を閉じたままふかふかの耳を撫でようとすると――指がさらさらしたものを捉えた。

それはシルバーの手触りではなくゆっくり目を開けると、そこには――


「きゃ、きゃぁーーーっ!?」


「おり、びあ…」


「誰!?ちょ…誰誰誰っ!?どうして裸なのっ?!きゃーっ!変態!あっちに行って!!」


「おり、びあ……僕……シルバー…」


「…え…?」


頬をぺろぺろしていたのは見たこともない青年。

しかもシルバーと名乗ったので驚愕してベンチの影に隠れながら盗み見ると、青年は困った顔をして指で頬をかいていた。


…だが、全裸だ。


伸びやかな肢体から目を逸らしたオリビアは、とりあえず着る物を用意してあげなくてはとドレスのポケットをまさぐってジェラールから預かっていたお金の入ったこぶくろを探し当てると、背中を向けて諭した。


「と、とにかく茂みの影に隠れてて。私が着る物を用意するまで出て来ちゃ駄目。いい?わかった?」


「うん」


聞き分けが良く、本当に茂みの中に隠れて顔だけ出している青年がなんだかシルバーに見えて来たオリビアは、息を切らしながら駆けて服屋に駆け込んだ。


「180㎝くらいの男の子が着てるような服一式下さい!」


その頃シルバーは茂みの中に隠れたままじっとオリビアを待っていた。


「僕…人に、なれた…」


こうなりたいと思っていた人の姿。

早く、オリビアに会いたい。


会って、すべてのものから守ってあげなくちゃ。
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