冷たいアナタの愛し方
「え?リヴィが門番に止められてる…?」


ウロボロスの紋章入りの首輪をつけているシルバーが一緒なら問題ないはずだが…

ジェラールと共に片付けの終わった政務室で様々な書類を読んでいたルーサーは、その衛兵の報告に顔を上げて書類を机に置いた。


「ちょっと見て来るから」


「…ここに連れて来い」


「はいはい」


未だにオリビアかリヴィのどちらかを選ぶことのできないジェラールが複雑そうな表情を浮かべると、ルーサーは肩で笑いながら執務室を出てスロープを下る。


「シルバーが一緒じゃないのかな。それよりもあの男…」


あの男とはレイドのことだ。

賓客として迎えてはいるものの勝手に城内を歩き回るので、護衛兼監視役のハーマン宰相が連れ回されて辟易している姿を見かける。


しかも“オリビアの部屋はどこに?”としつこく聞いてくるのでなんとか話をはぐらかしてきたものの…時間の問題のようにも思える。


「…………あれ?あの男は…?」


城の門扉横にある衛兵の詰所へ行くと、そこにはお茶を出されて椅子に座らされていたオリビアが居た。

ただし…オリビアの足元には見知らぬ青年が座っていて、オリビアの太股に顎を乗せて寛いでいる。

だがその外見…


「……シルバー?」


呼びかけるとぴくりと反応して顔を上げた青年は、腰を上げてルーサーの回りをぐるぐるした後鼻を寄せてくんくん匂うと、にかっと笑った。


「僕…シルバー」


「やっぱり。どうしてそんな姿に?天狼は人の姿になれるの?」


「わからない」


「ルーサー助かったわ。それによくシルバーだってわかったわね、すごい」


再びオリビアの足元に戻って太股に顎を乗せたシルバーの態度は獣の時と同じで、噴き出してしまったルーサーは監視している衛兵たちを遠ざけるとオリビアの手を引いて立ち上がらせる。


「とりあえず戻ろうか。ジェラールが呼んでるよ」


だが呼んでいるのはジェラールだけではなかった。
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