「同じ空の下で…」
「じゃぁ、俺らも自己紹介。俺は瞬。岡崎 瞬。俺の隣の席のやつが、安堂 タケル。」

「英さん、宜しく。」

タケルという、ガッチリした感じの体格にちょっと似合わない(と言ったら失礼だけど)やさしい顔立ちの男が私をみて軽く会釈をした。

「宜しく。」

私も会釈を返す。

すかさず、瞬と言う男がしゃべりだす。

「そっから右に…、遥人、蓮、嘉斗…」

瞬に紹介されながら、目を横にずらしていき、何とか顔を把握。

「てなわけで、はなちゃん、連絡先交換。あ、タケル、ケータイ取って。それとビールも。」

タケルが瞬と言う男のケータイとビールを渡すと、

そのまま、瞬は、私と由美の間にドカッと座った。

言われるがままにバッグからケータイを取り出すと、瞬と連絡先を交換する。

「あ~。はなちゃんと俺、おんなじ機種だぁ。しかも色も一緒~。趣味あうね~」


「…まぁ、そだね。」

気持ち悪さと嫌悪感を抱きながら適当に返事を返す。



私は

この手の男がとても苦手だ。

軽いノリ。

初対面にも関わらず、やたら馴れ馴れしい態度。

無神経さ。

断りもなく、自分の隣に座る図々しさ…。




早々に切り上げ、帰りたいと思った。


なにが、『はなちゃん』だ・・・・。

虫唾が走る…。

軽く身震いすら覚えた。

「さてと、肝心な打ち合わせだけど・・・・」


雰囲気を裂くように、タケルが話し始めた。

隣の瞬は由美と何やら小さな声で話をしていた。

その時・・・・

ポルポルポルポルポルポル────────・・・・

私の電話が再びなった。

'はず'だった。

「はいもしもし?」




────────…え?


自分の電話と間違ったのか否か?

私の電話を取り、おもむろに席を立ち上がり、その場から離れたのは紛れもない、無理やり隣に座ってきた

瞬だった。




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