「同じ空の下で…」

「やだぁ、フルーツタルトじゃない♪」


私だけ一人、スパーク花火には目もくれずに、土台になっているケーキに目を輝かせる。

花火が燃え尽きると、部屋に居た店員さんが上手にケーキを取り分けてくれた。



「お誕生日、おめでとうございます♪」


この演出とシュチエーションにすっかり度胆を抜かれ、何も言えずに笑顔のまま固まっている私に、優しく微笑む若い店員さん。

「あ、ありがとうございます」

我に返ると同じように私も優しく笑顔を返す。


赤い苺、紫色のブルーベリー、黄色いマンゴー、緑のキウイフルーツ、薄黄緑色のゴールデンキウイ、ドラゴンフルーツ…etc.


口いっぱいに頬張ると、適度な甘さと相まって口の中に拡がる…。


「…美味しすぎて…泣けてくる…。」


「…泣け泣けっ!」

呆れたように、隣で茶化す瞬。

「そう言われると泣く気も失せる…だけど…美味しい…嬉しい…泣けてくる…」

「…じゃ、好きにしなさい。」

瞬のお皿の上のケーキを勝手に一口頬張る。

「素直に言えば、全部あげるって。」

「敢えての盗み食いがまた美味しんだな♪」


そして、私のバースデーパーティ『…と称した、飲み会』は、その後もしばらく盛り上がった。







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