「同じ空の下で…」

驚いた様子で艶香が俺の顔を覗き込む。

その白い頬に触れると、ちょっとだけひんやりと冷たかった。

「…どうしたの?」

「どうもしない。叫びたくなっただけ。」


艶香の顔を引き寄せ、軽く唇に触れる。

艶香の唇は、甘いプリンの味がした。


「瞬、あと…1か月だね…。」

寂しそうに艶香が呟く。

柔らかい餅みたいな頬をプニプニと刺激し、宙を見ながら俺は呟く。


「…いよいよ色々行動しなきゃやばいな…」

「準備…進んでるの?」

「…心の準備がまだ整ってない。」

「……だめじゃん。」


「…もし可能なら…それが簡単に出来る事なら…さぁ…」

「…ん?」










″俺についてきて″













そんな事、言える筈がない。





その思いを閉じ込めるべく、何も言わずに艶香を抱き寄せた。

これ以上、お前を振り回す訳にはいかない。



身勝手な思考をかき消すように、艶香の首筋を刺激する。

パーカーのジッパーを静かに器用に下げていく。

「…しゅん…?」

「…ノーブラ?」

「…やめて、ばか。」

恥ずかしそうにする艶香。

その表情と仕草に、たまらなく愛しくなり唇を重ねるとTシャツの上から艶香の胸を刺激した。

石鹸の香り、シャンプーの香り…こいつの何もかもが俺を興奮させる。




情けないけど…

こうでもしていないと、

俺の不安は消えなかった。





・・・ ハ ナ レ タ ク ナ イ ・・・





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