「同じ空の下で…」

里奈の行きつけの場所は、そこからすぐ傍にあった。

情報誌に掲載されたと言うだけあって、平日にも関わらず店内は賑わっている。

店の前にはイタリアの国旗がぶら下がっていた。


予め里奈が席をリザーブしてくれていた為、すんなり席につく事が出来た。


「クイーンコース3個お願いします♪」

「かしこまりましたっ!」

里奈は手慣れた様子で店員に注文をする。


「くいーん???500グラムのステーキとか出てこないよねっ?!」

「アメリカじゃないんだから、それは無いよ。」

「イタリアンだよね。入り口に国旗がぶら下がってた。」

そう言うと里奈は大きく頷いた。

「どう?お店の雰囲気はいいでしょ?なんか客層も若すぎず、老い過ぎず…みたいな…。」

「こんなお店、あるの知らなかったっ!」

「最初、会社の子に連れてこられたんだぁ。そこから気に入って結構マメに通ってる。」

「里奈の会社ってどこ?」

「ああ、takaneshi co.だよ。あそこの検査室にいる~」

「たかなし~?」

その響きで、私の頭の中には、イケメン&背がやたら高いあの専務が浮かんできた。

「知ってるの?」

「あの…専務さんて、高梨准一さん?」

「そう!めっちゃカッコいいの♪」
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