「同じ空の下で…」
「要るよ。…署名して貰わなかったの?」

「さっき、2人で書いて持ってきただけだけど…。」

「ちゃんと両家に挨拶とかは?」

「さっき。…午前中に艶香のママで、午後は俺んち。…親父がそそくさと会社に行ってしまったから貰いそびれたっていうか、本当に必要あるのか良く分からなくて…。あ、承諾は貰ったから♪」

瞬の話を半ばあきれ顔で聞いてたタケル。

「…なんで、全てが今日なんだ…。」

「今日しか時間が無かったから?」

「…で、艶香を連れてあっちに行っちゃうの?」

「ううん、タケル、私は日本に残るの。こっちで仕事を続ける事にしたんだ。」

私は一連の流れをタケルに説明した。

「…に、しても…やっぱり瞬、親父さんの署名、今からでも貰ったら?ほら、俺、車出すし。」

「…やっぱ、そうか。オフィスに行きたくないんだよな、兄貴居るし…。」

「・・・・」

私とタケルは、困惑して無言で顔を見合わせた。

「でも、まぁ、いっか。じゃ、タケル、送ってくれるか?」

「…いいよ。瞬の親父さんとこ行けばいいんだな?」

「もしや艶香のママの署名も欲しいのか?」

「…どうせなら。友人でもいいと思うけど…俺的には、両家の親が相応しいような…気がする。」



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