「同じ空の下で…」

「…ほんとだよ。少しは気にしろって、艶香。おまけに…かな~り…鈍感だと見た。」

タケルは、瞬がそうするように、また片眉だけ上げて笑った。

「…タケル、段々その顔が普通になってきてないっ?!オカシイっ!」

私も思わず噴きだし、笑ってしまう。

そんな会話を交わす中、電話を終えた瞬がやっと私たちの所にやってきた。

「なぁ~に、相変わらず仲良さげに微笑みあってんの~?」

「だってね、瞬、タケルが、瞬の顔真似するんだよ…っ!」

「えっ?俺の顔真似?」

「そう、こうやって片眉を上げて、ニヒルに笑うっていうのか…。口角を上げて…。そう、この顔なのっ!」

タケルがその顔をして見せ、それをみた瞬は失笑しながら、まさにその顔になっていて、私は益々笑いが止まらなくなっていた。

「…ねぁ、瞬。ところで、タケルの好きな人とかって、知ってる?」


「ああ、俺は知ってるけど?」


「瞬、絶対に言うなよっ!」






…────────




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