ケータイ彼女に恋して

「瞬クンも書いてんの?そのブログってヤツ」


大貴は俺から奪ったケータイを俺に返して、そう質問してきた。


俺はケータイ小説書いてます。
そんな事は大貴には言わない。いや、言えない。
きっと言ったら、見せて見せて、としつこいだろうし。

と言うよりは、多分現実の俺を知る人間に見られたら恥ずかしいと感じる気持ちが先かもしれない。

俺は「書いてないよ」とボソッと呟くと、

大貴はそれを見て、酷く的の得た、それでいてネット社会の矛盾を露わにするような発言をした。



「日記って昔は皆隠してたよな。でも顔の知らない人になら、見られてもいいなんて変だよな。

その中で自分を隠しながら、ブログで晒して、でも自分を知られ過ぎると恥ずかしくなるって変じゃねぇ?

だって多分みんなそうなんだろ?リアルで接する人間には書いてる事を知られたくないけど、自分の顔も知らないようなヤツに対しては、自分を見てもらいたい…


…矛盾だらけ」


大貴のその言葉に俺は、ただ黙るしかなかった。
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