Storm -ただ "あなた" のもとへ-

いや、わかっている。

彼女は肌で確かめてみたかったのだ。

自分が切り捨てようとして涼を近づけたかったのか、他の理由なのか。

寝てみて切り捨てようとしているのではないとわかったから、聞いてみる気になったのだろう。

ああ、なんて回りくどい女なんだ。

綺樹が膝を抱えてユーリーの演奏を聴いているのが見える。

ぼんやりと物憂げな表情で。

フェリックスが入ってくるのに気が付くと、まだ半分こちらに戻ってこない無防備の表情で微笑した。

本当に・・。

早く涼に押し付けてしまうに限る。
< 283 / 448 >

この作品をシェア

pagetop