Storm -ただ "あなた" のもとへ-
いや、わかっている。
彼女は肌で確かめてみたかったのだ。
自分が切り捨てようとして涼を近づけたかったのか、他の理由なのか。
寝てみて切り捨てようとしているのではないとわかったから、聞いてみる気になったのだろう。
ああ、なんて回りくどい女なんだ。
綺樹が膝を抱えてユーリーの演奏を聴いているのが見える。
ぼんやりと物憂げな表情で。
フェリックスが入ってくるのに気が付くと、まだ半分こちらに戻ってこない無防備の表情で微笑した。
本当に・・。
早く涼に押し付けてしまうに限る。