この恋は、絶対に秘密！

「未来くんのお世話にはなりません！」

「えぇ～、僕が家に泊まらせてあげたいと思うコなんて瀬奈ちゃんぐらいなのにー」

「そんなの知らん！」



壁に寄り掛かって口を尖らせる未来くんを尻目に、私は自分の部屋のドアを開けてサッサと入ろうとする。



「色々と心配かけて悪かったわ。じゃ、お気持ちだけいただきますので」

「あー瀬奈ちゃん！男の家にだけは絶対泊まっちゃダメだからね！」



──バタン、とドアが閉まる直前に、未来くんの忠告がしっかりと耳に届いた。


……男の家、ね。



「……出来ることならまた泊まらせてもらいたいけど」



今度は長期戦になりそうだし、さすがにそれはやっぱり気が引けるのだけれど……

まだ足に貼られた絆創膏を見下ろしてポロリと零れたこの言葉が、私の本音だった。