この恋は、絶対に秘密!
「大丈夫です!大丈夫だから、やめないで……」



目に涙が浮かぶのを堪えながら顔を寄せると、岬さんは私の手を取り指を絡ませ、優しくシーツに押さえて色気の溢れる瞳で見つめる。



「俺も離したくないんだけど……いい?」



身体の奥から嬉しさにも似た感情が沸き上がり、私はこくりと頷いた。

その言葉にも、絡められる指にも、まるで恋人同士なのではないかと、彼にも私への愛があるように錯覚させられてしまう。けれど。



「絵瑠……」



掠れた色気のある声で偽りの名前を呼ばれると、やっぱり甘く儚い夢を見ているようで。

切なくて、一粒の涙が頬を伝った。


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