この恋は、絶対に秘密!
ゆっくり時間をかけて、決して乱暴にはせずに彼は私の中に入ってきてくれた。

彼と繋がる部分も痛いけれど、それ以上に胸が痛い。


この恋を諦めるために身も心も傷付けばいいと、こうなることを望んでいたのに……

好きな気持ちは膨らむばかりだ。



「みさき、さん……っ」



シーツを乱しながら、ほぼ無意識に名前を呼ぶ。

彼もそれに応えるように髪を撫で、何度もキスをしてくれた。


次第に快楽へと変わっていく感覚に溺れ、“愛してる”という言葉も何度も口から零れそうになった。



好きな人と一つになれることは、幸せなことだと信じて疑わなかった。

たとえ酔った勢いでも、相手に気持ちがなくても、自分にさえ愛があればそれでいいって。


でも、それは違っていたのだと

蕩けそうな意識の中で、ぼんやりと思った──。








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