この恋は、絶対に秘密!
「課長……」



何週間ぶりかにまともに視線を合わせ、私の心臓はそれだけで激しく波打つ。

私に迫ってきていた三人も、岬さんの登場に一斉に黙り込んだ。



「彼女、お借りしていい?」



岬さんが私を指し示してそう言うと、彼女達はコクコクと頷く。

突然のご指名に私も動揺を隠せず、目をしばたたかせていた。


そして彼はいつもの無愛想のまま、冷ややかな瞳で一瞥する。私ではなく、彼女達を。



「というか、もう盛り付けの時間じゃないですか?君達の課長はとっくに行きましたよ」

「あ、は、はいっ!すぐ行きます!!」



別に怒っているわけではないだろうけれど、どことなく尖った声色に恐れをなしたように、彼女達は急いでテストキッチンを出ていった。


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