この恋は、絶対に秘密!
岬さんのためにと尽くす私を見て、彼が切なげな笑みを見せていたこと。

そして、酔って帰ってきた日に私を抱きしめて何度も謝っていたこと……。


やっぱり、私に優海さんを重ねていたんだ。

彼女の思いやりに気付いていたのかもしれないけれど、それに向き合えなかったことを後悔していたに違いない。



「5年前の今日、とうとう二人は喧嘩して優海は家を飛び出した。
泣きながら美波に電話してきたらしくて、その直後に事故に遭ったんだ。優海が信号をよく見ずに渡ろうとして……」



ぐっと握りしめた拳に、彼が激情を押さえ込んでいることがわかる。



「あいつは優海のことを追い掛けもしなかったんだ。すぐに行動していれば、あんな事故に遭わずに済んだかもしれない。
岬英司が……優海を死に追いやったも同然なんだよ」

「そんなこと……!」

「──瀬奈ちゃん」


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