この恋は、絶対に秘密!
「……だから、それまでに考えといてよ。僕は絶対君を幸せにするから」



表情を引き締めて言う未来くんにまた胸を鳴らしつつ、私はこくりと頷いた。




……まさか告白までされるとは思わなかった。

帰りの車中では未来くんはまた他愛ない話をして楽しませてくれるけれど、私のドキドキは治まらない。

だけど──。


あの空にぶら下がった三日月のように、私の心は欠けたままだ。



未来くんの告白を受け入れれば、幸せは保証されているようなもの。

そうした方がいいとわかってはいるけれど……

もう消すことは不可能なくらいに大きくなってしまった、愛しい人の存在が一歩を踏み出させてくれない。


私はどうしたいの──?



宙ぶらりんな月を眺めながら、私は自分の本当の気持ちの在り処を探していた。








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