この恋は、絶対に秘密!
美波ちゃんは品の良い動作で湯呑みを口につけると、穏やかな声で言う。



「……最初は英司さんとまた私達が関わることに抵抗があったみたいなんですけど、お母さんもやっと少し冷静に考え出してくれて。

今度のお姉ちゃんの命日に、お母さんから英司さんに言いたいことがあるみたいなんで聞いてあげてください」

「言いたいこと……?」



僅かに首をかしげる俺に、美波ちゃんは笑みを絶やさずにこくりと頷く。



「……わかった」



彼女の笑みは俺に安心感を与えてくれる。

お義母さんの言いたいこととは何なのかわからないが、どんなことでも受け止めようと思った。



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