この恋は、絶対に秘密!
弁当のメニューは開発課のメンバーで案を出し合い、厳選して試作品を作った。
試食会では皆の意見を聞きながらも、妥協はしたくない。
それは相手がスミヤだからというわけではなく、どんな取引先でも同じことだ。
今日も試食会を終えて、採用するメニューをまとめていた時。
「日詰未来と付き合ってるんですか!?」
そんな甲高い声が聞こえ、俺は反射的に顔を上げた。
見ると、数人の女性社員に和久井さんが言い寄られている。
彼女は否定していたし、俺も付き合ってはいないと思うが、親しい仲であることは確かだろう。
二人がどんな関係なのか、今更ながら俺も気になってしまう。
勝手過ぎるが、彼女達がそんな話をしていることも気に食わない。
……これは嫉妬なのだろうか。