この恋は、絶対に秘密!
身を屈ませられると、私の頬を包み込むように両手を伸ばし、彼は眼鏡をそっと外した。

私達以外に誰もいないのに、見られていないかとドキドキしてしまう。



「な、なんで……」

「キスしづらいから」



キ……キスっ!?

するんですか、ここで?
あの“岬課長”が!?



「嫌?」

「え、や、あの……!」



一瞬でゆでダコ状態になってしまい、タジタジになる私の唇を親指でなぞり、彼は目を細め小首をかしげた。

その仕草があまりにもセクシーで、目眩を起こしたようにクラクラする。



「ここ……会社、ですけど」

「もう就業時間外だ」

「でも──」



いつになく強引な彼に引き寄せられ、私の唇はいとも簡単に塞がれる。

私だってこうしたいと思っていたのに、スリルと背徳感は想像以上だ。


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