この恋は、絶対に秘密!
ギョッとする私を中へ押し入れ、汐美さん達はアイコンタクトを取って頷き合っている。



「ちょっと…何なの!?」

「旦那様から、お嬢様を『とびきり綺麗でエレガンスに仕立ててくれ』と申し付けられているのですよ」

「なんでっ!?」

「あぁぁ時間がありませんわ!
私はお嬢様のお着替えをまじまじと見るわけにはいきませんので、外でお待ちしております!」



バタンと勢い良く閉められる扉に向かって「それは当たり前よ!」と叫びたかった。

だって汐美さんはあんな喋り方してるけど、性別はれっきとした男なんだから!!



心だけが女性で身体は何も“工事”していないらしく、喋りさえしなければ爽やかな普通の男性。

私が物心ついた時から彼(彼女?)はこうだったからもう普通の家政婦さんと同じに思ってるけど、さすがに着替えは見せられない。


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