トライアングル

「おっはよ~!麻希に優衣ちゃんっ!!」

この明るいテンションにぴったりな金髪に眼鏡、耳には多数のピアスとかいうチャラ男は、藤山 悟。
幼稚園からずっと一緒な幼馴染みで彼とのことも全部知ってる唯一の相談者。
わたしの違和感を感じ取ったのか、ぎゅっと抱き締めてくれた。
これは子供の頃からわたしが辛いときにやってくれた。そのまま、悟に体重を預け、口を開く。

「ねぇ、悟。違うよね?」

「大丈夫か?」

「別人、だよね…?」

「あぁ、あいつは奏じゃない。
奏はアメリカだ。」

ぽんぽんと頭を撫でられる。
やっぱり違うとわかっていてもこうやって確認しないと不安で仕方ない。会いたいよ……。

「ねえねえ!どういうこと!?」

「ああ、あの神田翔太は俺の親友にそっくりなんだ。」

「へえっ!そうなんだ!」

「特に麻希とは仲良かったんだよ!なっ?」

「う、うん…。」

「おら、席つけよー!」

「あっ、せんせきた!またあとで!」

先生が入ってきたので、悟がまたぽんぽんとわたしの頭を撫でたあと、優衣と一緒に自分の席に戻っていった。


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