その恋、取扱い注意!
「ま――」

「アイツの話はするなよ」

「まだ何も言ってないじゃないっ」

「お前の考えていることぐらいわかるさ。それに最近アイツから、頻繁に電話がかかってきてるからな。さしずめ、俺の幼なじみであるミミに、協力を頼んだって所だろ」

うぅっ……。

「どうしてわかるの?」

まるで私と松下さんの会話を盗み聞きしていたかのような湊の言葉に、開いた口が塞がらない。

「大学の頃も俺の親友を使って近づいてきたからな。そう言うやつなんだよ」

湊の口ぶりでは、松下さんの印象は良くないみたい。
寄りは戻らないと、思ってもいいの?

「だから、アイツのことは気にするなよ」

そう言うけれど、彼女は我社の社長令嬢で、一緒に働いているわけだし……。

「本当にこれっぽちも松下さんのこと、想ってない?」

指でこれっぽっちを表現すると、湊の顔つきが鋭くなった。

「俺が好きなのは、お前だよ」

< 145 / 437 >

この作品をシェア

pagetop