その恋、取扱い注意!
「だって! いきなりなんだもん!」

「いきなりじゃないだろ。前からモーションかけてたって」

「あんなの分からないよ! ラブホ行こうって言うだけじゃん。本気にするわけないでしょ!」

なんだかケンカ腰のような会話に、深いため息が漏れる。

私、なんて答えたらいいんだろう。
湊は好き。
一緒にいると安心できるし、私を楽しませてくれる。
それから湊に会うたびに、胸が高鳴る。

「あれも本気。ラブホなんてちんけなところには、連れて行きたくないけどな」

頭の中が混乱してきた。

何を言おうか困った所へ、追い打ちをかけるように湊が甘い笑みを向ける。

そして……

「一緒に過ごしたいのは、ミミだけだ」

私の知らない湊だった。
好きな相手だけに甘く語りかける初めて見る湊。



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