その恋、取扱い注意!
「と、突然そんなこと言われても……」

私の頭はパニックの一歩手前で……。

「やっぱり彼氏いない歴が長いミミちゃんには、付いていけない告白だったか?」

私の動揺が分かったのか、湊は軽口をたたく。

「料理が冷めちゃうな。食べよう」

「う、うん」

食べながら私の全身が湊を意識している。
ここままだと食べ終わった時には、ぐったりかもしれない。

デザートで運ばれてきたアイスクリームの盛り合わせは、火照った全身に浸透していく。

スマートに会計を済ませた湊は、不意に席を立った。
コーヒーを飲みながら、湊を見上げる。

「出よう」

「えっ?」

私を立ち上がらせ、手を握って歩き出す湊。

引っ張られるようにして歩き出した私は、忘れ物を思い出して、湊の腕を強く引く。

「湊っ! 待って! バ、バッグっ!」

隣の席に置いていたバッグを慌てて掴み、強引に歩く湊に付いて行く。

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